俺たちの妹・2
話を聞いてみると、点滴にいい思い出がないみたいだな……

俺はとりあえず点滴の準備を進めた。

みぃちゃんに声をかけながら進めたんだけど、どんどん力が入ってきて緊張してるのが伝わってきた。

リラックスしなきゃ余計に痛いから、一度みぃちゃんと話しをする事にした。



今だけは俺を信じてほしいんだ、みぃちゃん………




俺の想いが伝わったのか、みぃちゃんは、少し力を抜いてくれた。


それでもまだ抜け切れてないから、葵にみぃちゃんの手を握ってもらって、葵も交えて話しをする事にした。


俺の患者の中には点滴が嫌で逃げ回る子や、頑張ってくれるけど、力みすぎる子がいたりする。

その時に、全く違う話題を持ち出して、気持ちを違う方向に向ける事をよくやるんだ。

今回はみぃちゃんにも通用したみたいで良かった。


「痛くなかった……」


その言葉が聞けただけで俺は嬉しいよ。


少し眠るように声をかけると、みぃちゃんはすぐに眠ってしまった。
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