俺たちの妹・2
「大和さん、ありがとうございます」

葵は、みぃちゃんが寝たのを確認してから、俺に声をかけてきた。

「問題ないよ。みぃちゃん素直だし、医者からすればやりやすい方だよ。でも、点滴そんなに苦手なの?」

入退院を繰り返してるみぃちゃんなら、慣れてきてもおかしくないんだけどな……


「ひな兄や司さん、前園さんはいつも上手くやってくれるから大丈夫なんですけど、他の人からしたらやりにくい血管みたいで、失敗されるのが当たり前なんです。
……………みぃは、そんな人達にも嫌だとは言わなくて、我慢しちゃうから」

なるほど………

失敗されるのが常なら、俺に点滴されるのも嫌だっただろうな……

「でも、大和さん上手なんですね。みぃが驚いてました」

「ふふ。俺も新人の頃猛練習したからね〜
俺自身、点滴や注射は苦手だから、痛くしない医者になりたかったんだ」

「やっぱり練習あるのみなんですね」

「葵もきっと上手くなれるよ。みぃちゃんの為に頑張るだろう?」

「そうですね。みぃの苦手なことは減らしてあげたいですから……」

「まぁ、練習くらいは付き合ってあげるよ」


「ほんとですか?」

「俺の腕は貸さないけどね」

痛いのは嫌だもん。

「コツとかあれば教えてください」

「その時になったら教えてあげるよ」

「ありがとうございます」

「まぁ、葵の周りには俺以外にも医者が沢山いるから、いろんな人に聞くといいよ」

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