俺たちの妹・2
医学生からすると、こんなに医者と知り合いだなんて、ありがたい環境だと思う。

それもきっとみぃちゃんと一緒にいるからなんだろうな……

「大和さん、みぃこれ終わったら帰ってもいいですか?」

「うん、とりあえず今日は帰っていいよ。心配ならお泊まりしてもいいけど……」

「………帰ります。みぃも入院ばっかり嫌だろうし……何かあれば、かな兄に連絡します」

「うん。みぃちゃんがラクな方でいいよ」

点滴すれば熱も少し下がると思うし。


それから葵とみぃちゃんの点滴が終わるまで待った。

俺は仕事をしながら……


葵は本を読みながら……


各々の時間を過ごしても全く気にならない存在の葵はある意味心地よかった。




「大和さん、そろそろ終わりますね」

葵の声でパソコンから目を向けると、葵はみぃちゃんのそばにいた。

「そうだね」

点滴が終わるまで待って、処置を終わらせる。

その間、みぃちゃんは目を覚まさなかった。


葵は、みぃちゃんをそっと抱き上げて立ち上がった。


「大和さん、今日はありがとうございました」

「いいよ。もしまた困ったことがあったら、いつでも声かけて?俺で良かったら力になるからね」

「ありがとうございます。それでは失礼します」

診察室から出て行った葵の後ろ姿を見ていると


様になるな〜

と思わずにはいられなかった。



みぃちゃんの体調が復活したと聞いたのは、それから2日後だった。
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