俺たちの妹・2
それから数日後。


ようやく久しぶりの休みになったので、桜が希望していた場所へ行く予定だ。


「司、ほんとに連れてってくれるの?」

桜は楽しみで仕方ない様子。

「もちろん。桜が行きたがって場所だろ?連れて行かない訳ないじゃん」

「嬉しい」

朝からずっとこんなテンションで疲れないかな……

そんな俺の心配をよそに、車の中でも喋りまくる桜は、一緒にいて楽しい存在だ。





「あ〜っっ‼︎ 司、見えてきたよ」

ひまわり畑が少し好きに見えてきた。

「ほんとだね。夏って感じだな〜」

「ひまわりって元気になれるよね」

桜はひまわりを見ながら呟いた。




俺の中での桜のイメージは元気………

まぁもちろん、いつも元気でいるからとかそんなじゃなくて、明るい性格だから、元気なイメージと繋がるんだろうけどな……


桜でも元気になれる…なんて思う事あるんだなと思った。


「………桜」

「ん?」

「何かあった?」

「どうして?」

「元気になれるなんて言うからさ……」

「あぁ………私じゃなくてみぃにね」

「みぃ?」

「そう。夏に体調崩す事多いでしょ。元気を貰えるもの渡したいなって思って」


桜はほんと友達思いだな……

「桜から元気が出るもの貰えたら、みぃも喜ぶだろうね」

「みぃが実際ここに来るのは難しいでしょ。暑いし陰ないし……」

確かにみぃのお出掛けの候補の中には含まれない場所だよな……
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