俺たちの妹・2
慌てて玄関を出てみぃを追いかけると、エレベーターに乗り込もうとするところだった。





咄嗟にみぃの腕をギュッと掴んで、後ろに引っ張るとみぃはエレベーターに乗り損ねた。




みぃが驚いて振り返った。


「間に合った………
みぃ、落ち着いてっっ‼︎
今の状態で外になんて出たら倒れるよっっ」



普段はキツイ言葉を言わないように心掛けてるけど、今そんな余裕なんてない。



「あのまま葵と一緒に居たらずっと葵に甘えちゃうもん。葵にずっと側にいて欲しいって思っちゃうもん」


みぃからの言葉は俺にとっては凄く嬉しい言葉だった。

そう思うと、気持ちが落ち着いてきた。



「迷惑なんて思わないよ。俺もずっと一緒に居たいって思ってるもん」


俺の言葉を聞いて、みぃが纏っていた雰囲気がやわらかくなった気がした。


「…………ほんと?」


「ほんとだよ」


「…………良かった」


みぃはホッとしたのか突然意識を手放した。



「みぃっっっ‼︎‼︎」


呼びかけても俺の声に反応しない。
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