俺たちの妹・2
「みぃちゃん、今日は家事を一緒にお願いしてもいいかな?」

彩さんが申し訳なさそうに聞いてきた。

「もちろんだよ。彩さんは身体をゆっくり休ませてあげて?」

「ありがとう。でも動いてる方がいいみたいだから動けるうちに動いておくわ」

そう言いながらお腹をさする彩さんは少し顔を歪ませていた。

「彩さん、大丈夫?」

「ん……ちょっとさっきから痛みが増してきてて」

「え?………かな兄呼んでくる」

私は慌ててかな兄の部屋へ行った。


「かな兄、彩さん痛みが増してきてるみたい」

「っっ‼︎……わかった。ありがとう」

かな兄は、彩さんの所へ駆けつけた。


「彩、大丈夫か?」

「っっん……イタタ。まだ大丈夫だけど、少しずつ痛みが増してきてるから、陣痛かも……」

彩さんは背中を丸めて痛みに耐えていた。

「とりあえず時間を計ってみよう」

かな兄はこんな時でも慌てない。

少し経つと彩さんは、姿勢を戻して動き始めた。

「彩さん……痛くないの?」

「今は平気よ。波があるみたい」

痛い時と痛くない時の波?

側から見ていると痛みに耐えてる時とケロっとしている時があるのが不思議な光景だった。





「あ……イタタタ」

暫くするとまた痛みに耐え出した彩さん。

かな兄は、何故か慣れた手つきで腰をさすっていた。

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