俺たちの妹・2
「私、もう殆ど大丈夫だから、いつもの病室に行くよ。吐き気酷かったからここに置いてくれたんでしょう?いつまでも居たら悪いし……」

みぃちゃんは、ほんとこういう事にすぐに気がつく……

「司と相談してからな。みぃちゃんはそんな事気にしなくていいんだよ」

「………分かった。つーくんと移動する方向で話進めてね?」

「分かったよ。それから昨日、発作起きてるから、安静にしてなきゃダメだよ。酸素も付けててね」

「………はぁい。ICUの中じゃ動き回れないよ」

苦笑いのみぃちゃん。


「それもそうだな」

みぃちゃんの頭を撫でて、ICUを出た。



「樹っ‼︎」

「あ、司。丁度探しに行こうと思ってたんだ。みぃちゃん目が覚めたよ。吐き気も殆どないって。腹痛はまだあるみたいだけど」

「そっか。良かった……
それなら、病室に戻ろうか。みぃもそう言ってるだろ?」


「流石、主治医。みぃちゃんにここ出たいって言われたよ」

「じゃぁ、移動するよ。みぃもその方が気が楽だろうし。病室整えたら迎えに行くってみぃに伝えてて」

「了解」



俺は再びICUに戻り、みぃちゃんの元へ訪れた。

「みぃちゃん」

「あ、いっくんどうしたの?」

「司が病室準備できたら迎えに来るって」

「分かった。いっくん、色々ありがとね」

「気にしないで。俺の仕事だから」

「それでも、ありがとう」

みぃちゃんの『ありがとう』には、色んな意味が含まれてるなと思った瞬間だった。

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