俺たちの妹・2
「春子ママ……」

「ほらほら、泣かないの。葵に大好きなみぃちゃんを泣かせてるってバレたら怒られちゃうわ」

「…………だめ」

「ふふ、だったら泣き止んで?ね?」

春子ママはは暖かい人だな〜……



「みぃ、葵まだ図書館にいるみたいなんだけど…」

みなくんが、リビングへやってきて教えてくれた。


「……うん、突然来ちゃったし家に居ないかもって思いながら来たから大丈夫。勉強の邪魔しちゃ悪いし私、帰るね」

「みぃちゃん、待って?」

立ち上がろうとした私を春子ママが止めた。

「日向くんは?」

「家にいます」

「じゃぁ、日向くんも呼んで、一緒にお夕飯食べましょう」

春子ママの突然の提案にみなくんは、苦笑い。

「うちの母親言い出したら引かないの知ってるよな?」


そうだった……

春子ママは、思いついたら即実行な人だった。

「葵はまだ勉強してるだろうし、私達だけで楽しくやっちゃいましょ」

あれ……

葵には声掛けないんだ……

「葵、最近勉強ばっかりで、母さんに構えてないから母さんも拗ねてるんだよ」

「春子ママ、私と一緒だね」

「ふふ。母親や彼女を蔑ろにしたら痛い目見るのよ」

春子ママは、何故か楽しそうだった。
< 537 / 612 >

この作品をシェア

pagetop