午前0時の恋人契約
「どうせなんの役にも立たないんだからさ、へらへら笑って頷いてればいいのに」
「うわ、その言い方ひどすぎ。うけるわー」
「だって本当じゃん。あいつ事務仕事以外なにができるわけ?人として価値なさすぎ」
なんの役にも立たない、価値のない人間。
その言葉から感じるのは、むき出しの敵意。
あぁ、どうしよう。
怒らせた、嫌われた。怖い。
思い出すのは、幼い頃見た母の姿と、何度も何度も繰り返された言葉。
『役立たずなんだから、空気くらい読んでよ』
「っ……」
思い出したくない、縛られたくなんてないのに。響く言葉は、この首を絞め上げようと手をかける。
やめて、そんな目を向けないで。
頑張るから、笑うから、空気を読むから。怒らないで、嫌いにならないで。
私を 捨てないで。