君のためなら

……だからあの時。

ラウに手をひかれた時。
なぜ振り払わなかったのか、
なぜラウを拘束しなかったのか、

私自身、分からなかったのだ。



隣を見ると
すっかりいつもの調子で
私に話しかけるラウがいた。

さっきまで驚きと怒りに満ちていた瞳も
今は落ち着き、綺麗な青に見えた。

ラウは昔からなにかと私を笑わせようと
いろいろ手を尽くしていた。

初めは何がしたいのか全くもって謎だった
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