ウェディングロマンス~誓いのキスはふたりきりで~
入行時から……三年近く。
私なんかと比べようもないくらい、長い時間だ。


「ちょうど今の萌ちゃんと同じ年くらいの時、中谷は倉西に逆プロポーズしたんだ」


ドクン、と大きく胸が騒いだ。


中谷さんの話を聞いて、なんとなくわかってた。
結婚を言い出したのは、中谷さんの方なんじゃないかって。


そして、私は今、響さんがなんて答えたのかが気になって堪らない。


「それに対して、倉西はこう答えた。『三十歳になって同じことが言えたらな』って」

「……っ」

「二十五の時の三十って、意外とずっと先の未来って思えるよな。
結局、中谷はそれを聞いて倉西から離れて行った」


胸の鼓動が、不規則なリズムで打ち立てる。


二人の別れは、中谷さんが言った通り、タイミングが合わなかったってことだと思う。


そして同時に、清水さんの言葉は大袈裟じゃなく、響さんにとって『結構マジ』な恋だったんだ、とわかってしまう。


だって、もしも……中谷さんが私に言った通り、待っていたら?


私にはその言葉が違う意味の言葉に聞こえる。


『三十歳になったら、結婚しような』


それは紛れもなく、将来の約束の言葉だって、感じてしまう。
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