ウェディングロマンス~誓いのキスはふたりきりで~
いつも私より帰りが遅い響さんが、掛け忘れるなんてあるわけない。
「嘘。私を待っててくれたんですよね……?」
尋ねるというよりは、確認するように、私は響さんにそう言った。
響さんは私の質問には答えずに、無意味にテレビのリモコンを操作し始めた。
嘘を言い当てられてムキになった子供みたいな反応。
この一ヵ月、私達の関係がなんだかよくわからないまま、私はこういう響さんを何度も見つけた。
普段は自信に満ち溢れた有能なイケメン銀行員。
なのに、時々こんな風に子供っぽい一面を見せる響さんがとても愛おしい。
振り向いてくれない響さんの頭を見つめたまま、胸の奥がきゅうっと苦しくなった。
「……響さん」
改まって発した声は、どこか緊張を孕んでいた。
「何」
返ってくるのは短い声。
「ごめんなさい。響さんが私をすごく大事にしてくれてるのは、いつもちゃんと感じてました。
なのに私、響さんがあんな風に考えてくれてたって、全然気付けなくて」
自分に対する情けなさで声が震えた。
ほんの一瞬沈黙した後、響さんは背凭れに腕をかけて身体を起こして、軽く私を振り仰いだ。
「気付かなくて正解だ。俺は萌に気付かれたくなかったんだから」
自嘲気味に呟いて顔を伏せる響さんに、私は勢い良く首を横に振った。
「違う。私、意識して響さんに踏み込まないようにしてたんです。
私は、逆立ちしたって響さんに似合う女性じゃない。
響さんは、私を恋人にしてくれた訳じゃないんだから、って……」
「嘘。私を待っててくれたんですよね……?」
尋ねるというよりは、確認するように、私は響さんにそう言った。
響さんは私の質問には答えずに、無意味にテレビのリモコンを操作し始めた。
嘘を言い当てられてムキになった子供みたいな反応。
この一ヵ月、私達の関係がなんだかよくわからないまま、私はこういう響さんを何度も見つけた。
普段は自信に満ち溢れた有能なイケメン銀行員。
なのに、時々こんな風に子供っぽい一面を見せる響さんがとても愛おしい。
振り向いてくれない響さんの頭を見つめたまま、胸の奥がきゅうっと苦しくなった。
「……響さん」
改まって発した声は、どこか緊張を孕んでいた。
「何」
返ってくるのは短い声。
「ごめんなさい。響さんが私をすごく大事にしてくれてるのは、いつもちゃんと感じてました。
なのに私、響さんがあんな風に考えてくれてたって、全然気付けなくて」
自分に対する情けなさで声が震えた。
ほんの一瞬沈黙した後、響さんは背凭れに腕をかけて身体を起こして、軽く私を振り仰いだ。
「気付かなくて正解だ。俺は萌に気付かれたくなかったんだから」
自嘲気味に呟いて顔を伏せる響さんに、私は勢い良く首を横に振った。
「違う。私、意識して響さんに踏み込まないようにしてたんです。
私は、逆立ちしたって響さんに似合う女性じゃない。
響さんは、私を恋人にしてくれた訳じゃないんだから、って……」