ウェディングロマンス~誓いのキスはふたりきりで~
――……
午後三時。
どことなく『ちょっと休憩』という空気が漂う中。
私は上司や先輩、同僚のデスクを回ってお土産のお菓子を配って歩いた。
「お休み、ありがとうございました」
部長、次長席を回った後、直属の上司の篠沢課長のデスクの横に立って頭を下げた。
課長は仕事の手を止めて、お?と私に目を向けてくれた。
「いい結婚式だったね。どうだった? 新婚旅行は」
お土産の包みを手に持って目の高さに掲げながら、課長がそう訊ねて来る。
「ご参列いただき、ありがとうございました。旅行も楽しかったです」
課長には披露宴でスピーチをしてもらった。
私には過分な立派なスピーチで、今思い出しても気恥かしい気持ちになる。
「どこに行ったんだっけ?」
「ニューカレドニアです」
「いいね。のんびり出来たか?」
「はい。……あの、これからも頑張りますので、今後もよろしくお願いします」
ペコッと頭を下げて再び顔を上げると、課長はお菓子を軽く振って、ありがとう、と言ってくれた。
そして、また仕事に戻って行く。
午後三時。
どことなく『ちょっと休憩』という空気が漂う中。
私は上司や先輩、同僚のデスクを回ってお土産のお菓子を配って歩いた。
「お休み、ありがとうございました」
部長、次長席を回った後、直属の上司の篠沢課長のデスクの横に立って頭を下げた。
課長は仕事の手を止めて、お?と私に目を向けてくれた。
「いい結婚式だったね。どうだった? 新婚旅行は」
お土産の包みを手に持って目の高さに掲げながら、課長がそう訊ねて来る。
「ご参列いただき、ありがとうございました。旅行も楽しかったです」
課長には披露宴でスピーチをしてもらった。
私には過分な立派なスピーチで、今思い出しても気恥かしい気持ちになる。
「どこに行ったんだっけ?」
「ニューカレドニアです」
「いいね。のんびり出来たか?」
「はい。……あの、これからも頑張りますので、今後もよろしくお願いします」
ペコッと頭を下げて再び顔を上げると、課長はお菓子を軽く振って、ありがとう、と言ってくれた。
そして、また仕事に戻って行く。