ウェディングロマンス~誓いのキスはふたりきりで~
課長のデスクを離れて、年次順に挨拶して回った。
普段仕事で直接的な関わりのない先輩達は、社交辞令的な祝福の言葉を向けてくれる。
ちょっと砕けた会話の出来る関係の同僚は、ズケズケと踏み込んで来るか、ギリギリのラインで探りを入れて来るか、どっちかの態度をとる。
「不思議でしょうがなかったんだけどさ。
沢木さん、倉西とどんな接点があってこんなことになったの?」
お菓子を受け取りながらそう聞いて来たのは、隣のグループの五歳年上の男性社員、二村さんだった。
「えっと……あの二年くらい前に、社内報の『明日を担うホープたち』で特集したことあったじゃないですか」
私が笑みを浮かべながら答えると、二村さんも合点したように、ああ!と言ってポンと手を打った。
「あれ、私がインタビュー担当したんです」
「え? 沢木さんが? そうだったっけ」
「はい」
「なるほどね~……。って言っても、それって仕事でほんの一瞬関わっただけだろ?
その後も付き合いが続いて結婚ってさ。……なんっつーか、あまりに予想外って言うか……その……」
二村さんは好奇を隠そうとして回りくどい言い方をしてるけど、私には何が言いたいかわかってしまう。
普段仕事で直接的な関わりのない先輩達は、社交辞令的な祝福の言葉を向けてくれる。
ちょっと砕けた会話の出来る関係の同僚は、ズケズケと踏み込んで来るか、ギリギリのラインで探りを入れて来るか、どっちかの態度をとる。
「不思議でしょうがなかったんだけどさ。
沢木さん、倉西とどんな接点があってこんなことになったの?」
お菓子を受け取りながらそう聞いて来たのは、隣のグループの五歳年上の男性社員、二村さんだった。
「えっと……あの二年くらい前に、社内報の『明日を担うホープたち』で特集したことあったじゃないですか」
私が笑みを浮かべながら答えると、二村さんも合点したように、ああ!と言ってポンと手を打った。
「あれ、私がインタビュー担当したんです」
「え? 沢木さんが? そうだったっけ」
「はい」
「なるほどね~……。って言っても、それって仕事でほんの一瞬関わっただけだろ?
その後も付き合いが続いて結婚ってさ。……なんっつーか、あまりに予想外って言うか……その……」
二村さんは好奇を隠そうとして回りくどい言い方をしてるけど、私には何が言いたいかわかってしまう。