ウェディングロマンス~誓いのキスはふたりきりで~
そんなことじゃ傷付かない。


響さんは私を好きになってくれた訳じゃないし、私も響さんに恋してた訳じゃない。
そんなこと、他人に言われなくてもわかってる。


だから……。


私は『適当』な相手だとしても、そんなことでショックを受けたりしない。


茶葉が蒸れたのを見計らって、用意した湯呑みに順々にお茶を注いで行く。
均等なグリーンを並べて、私は一度溜め息をついた。


大丈夫。


私の役割に『恋心』なんか含まれなくても、響さんの傍で出来ることはたくさんある。


適当、だろうが、偽装、だろうが。
私が納得して胸を張っていれば、誰も陰口なんか叩けなくなる。


自分にそう言い聞かせたら、改めて立場を強く認識出来た。



私は、『幸せ』になるだけでいい。
私との結婚が響さんの役に立つのなら、それで全然構わない。
他人がなんて陰口を叩いても。


自分にそう言い聞かせてみたら、心の奥底で何かがキュンと震えた気がした。
私は、それを深く気にせず、ただやり過ごした。
< 43 / 224 >

この作品をシェア

pagetop