ウェディングロマンス~誓いのキスはふたりきりで~
「知ってる? 倉西はこれまでの『素行』が問題で、昇進面談で部長から忠告されたんだよ。早く身を固めて悪い縁を清算しろって。
だから、さっさと適当に結婚出来る相手を見繕わなきゃいけなかったって訳」
「……適当……」
清水さんが意地悪に語るその言葉を、私は静かに自分の声で口にした。
そう、と清水さんが相槌を打つ。
「君、倉西の今までの女と相当タイプ違うし、教えておいてやらないと可哀想かな、って思ったから。
君の前でアイツが何て言ってるか知らないけど……」
「なんだ、そんなこと」
どこか饒舌になって行く清水さんの言葉を遮って、私はハハ、と小さく笑った。
私の反応が意外だったのか、清水さんが目を丸くしている。
「倉西さんが私を騙してるって言いたいなら、騙されてなんかいないですよ。なんて言うか……それならお互い様みたいなもんですから」
「……え?」
「私、お茶淹れなきゃいけないんで、失礼します。あ、助けて下さってありがとうございました」
ペコッと頭を下げて、私は給湯室の中に逃げ込んだ。
少ししてから、廊下からカツカツと足音が鳴って遠ざかって行く。
それを聞いて、私は急須の中で茶葉が開くのを待ちながら、大きく肩で息をした。
あの人も、私が分不相応な王子様のプロポーズに浮かれてると思ったのかな。
それを私に告げて、何をしたかったんだろう。
だから、さっさと適当に結婚出来る相手を見繕わなきゃいけなかったって訳」
「……適当……」
清水さんが意地悪に語るその言葉を、私は静かに自分の声で口にした。
そう、と清水さんが相槌を打つ。
「君、倉西の今までの女と相当タイプ違うし、教えておいてやらないと可哀想かな、って思ったから。
君の前でアイツが何て言ってるか知らないけど……」
「なんだ、そんなこと」
どこか饒舌になって行く清水さんの言葉を遮って、私はハハ、と小さく笑った。
私の反応が意外だったのか、清水さんが目を丸くしている。
「倉西さんが私を騙してるって言いたいなら、騙されてなんかいないですよ。なんて言うか……それならお互い様みたいなもんですから」
「……え?」
「私、お茶淹れなきゃいけないんで、失礼します。あ、助けて下さってありがとうございました」
ペコッと頭を下げて、私は給湯室の中に逃げ込んだ。
少ししてから、廊下からカツカツと足音が鳴って遠ざかって行く。
それを聞いて、私は急須の中で茶葉が開くのを待ちながら、大きく肩で息をした。
あの人も、私が分不相応な王子様のプロポーズに浮かれてると思ったのかな。
それを私に告げて、何をしたかったんだろう。