ウェディングロマンス~誓いのキスはふたりきりで~
「こう言っちゃなんだけど、アイツ正直プライベートは誉められたもんじゃないじゃん。
女達は『抱かれたい男No.1』だなんて陰で騒いでるみたいだけど、そんな風に騒がれるのも、ネタにする女が多数いるからだろ?」


業務時間中の話題にしてはかなり際どい内容。
二村さんも声をひそめて周りを気にしながらも、興味津々の視線を向けて来る。


「だからさ、不思議でしょうがないんだよ。沢木さんみたく、その……。
真面目で清楚な女の子が、どうしてそんな男と結婚する気になったのか」


歯に衣着せるのを諦めたように、二村さんは私にズバリ質問をぶつけて来た。


真面目で清楚……なんて、言われたこっちが恥ずかしくなる。


本当のところは、『極上のプレイボーイ』が結婚相手に選んだのは『地味で目立たない平凡以下の女』と……噂されてることはちゃんと私も知っている。


「仕事の出来る男だし、まあ確かにイケメンだし。女がほっとかないのもわかるんだけど……。まさか沢木さんが、と思ったから」


社内切っての有能なプレイボーイの電撃結婚にまつわる謎は、オフィスの新しい七不思議の一つとまで言われてるらしい。


それでも真相を求めて、二村さんは質問を重ねて来る。
この場をどう切り抜けようか、と考え始めた時、グッドタイミングで二村さんが部長に呼ばれた。


慌てて返事をしながら立ち上がる二村さんに、私はホッとしながら黙礼して背を向ける。


そして、お土産配りを再開した。
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