幼なじみ以上恋人未満【完】
元バスケ部なだけあって、女のくせに力が強い。
「お前っ…フツー逆だろ!?」
「先輩は!!!まだ唯の事忘れられてませんよね!?」
「え…」
「今日はっきりとわかりました!先輩、私の事全然見てくれない。唯の方ばっかり見てるんだもん」
美緒の目から大粒の涙が降ってきて、俺の頬に当たった。
まるで雨のように次々と落ちてくる。
「そんなこと…ねーよ」
「いえ!嘘付かないでくださいっ…先輩の視線の先にはいつも唯がいた…私はそれに気づかないふりをしていました。でも…もう辛いです…」
美緒は声を詰まらせて泣いていた。
こんなにもこいつを苦しめていたなんて。
美緒の事、大事にしてやろうと思ってたけど…全然大事にしてやれてなかったんだな…
「ごめん美緒。お前が苦しんでるなんて知らなかった…もうあいつとは会わないようにするから」