ラブレッスン
『由宇さん。早く俺を誘惑してみて?』







不敵に笑いながら言う姿に、以前なら憎たらしいと思ってたはずなのに。




今は苦しいと感じてるなんて。






このままだとおかしくなる。






自分の気持ちがわからなくなってしまうわ。






そうなる前に。気持ちも、結城歩との出来事も…。
なかった日々に戻らなくちゃいけない。









『…私が誘惑出来たら何も言わないのよね?』











それはきっと











この関係を終わらせてもいいって







そういう意味、なのよね?










笑みを浮かべるのを止めて、何も言わず真顔で見つめてくるのを見て、そういう事なんだと思った。


そっと右手を結城歩の腕に這わせる。





ピクリと結城歩が体を動かしたのが右手から伝わった。




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