ラブレッスン
そんな会話が聞こえてきて、またか。と思ってしまう。




白岩チーフ、新しい派遣が来る度にああやって口説くのよね。




今回の沢木さんだったかしら?
沢木さんは白岩チーフの誘いに乗ったわけだ。




いつもは大抵断られて終わりなのに。





ようやく彼女でもできるのかしらね。





なんて一人考えてた私の机に


ドサッと置かれたたくさんの紙の束に現実へと引き戻された。





『遠藤さん、あとこれ頼んだね!』





そう言って早々に帰る用意を始める白岩チーフと、





『遠藤さん、お願いしまーす。』





後ろの私を見て笑いながら頭をちょっとだけ下げて、自分の席へと向き直る沢木さん。






あの、ちょっと……




まだ定時迎えていないのよ?





デートしたいなら、人に頼む前に、自分達で少しでもやりなさいよっ!!



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