ラブレッスン
言い放った私をしばらく覗き込んでた。





『確かにそうだね。僕の口調も上司の時と変わらない口調だったのがいけなかったね。

ゆっくりと馴れていこう。』






ふわっと優しく笑みを浮かべ相田部長は肩から手を離した。





「はい。

あと、沢木さんと私、別に何もありませんから。本当に心配しないでくださいね?」






最後の椅子を畳みながら、さりげなく言えた。






『それならいいんだ。

そろそろ戻ろうか。』





会議室のドアを開いて先に出るように促され、前へと出る。







『…ゆっくり好きになってくれればいいから。

急かしたのは僕の方なんだし。

ずっと待ってるよ。遠藤さんが好きだと言ってくれるのを…。』






言われた言葉に泣きたくなってしまった。






相田部長は私の迷いをしっかりと見透かしていた。






苦々しい笑みを浮かべる相田部長に頷く事しか出来なかった。






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