ラブレッスン

探し物

小会議室を出た私に、沢木さんは飛び付かん勢いで話しかけてきた。





結城歩との関係を聞いてきて、私が本を落とした所を見かけて届けに来ただけだと説明しておいた。





たいして怪しまれもせずに、そのまま仕事を終えて家に帰宅した。




ご飯を食べ終えてから落としてたのは本だけじゃなかった事にようやく気づく。




どうして気づかなかったのかしら。
あんなに大切にしてたのに。




本を落としてたと言ってた階段かしら?




それとも屋上で落とした?




もし屋上だったらおしまいかもしれない。




風でどこかに飛ばされてしまってるかもしれない。





時計を見るともう夜の8時を回っていたけれど。




何の迷いもなく私はタクシーを呼んでまた職場へと急いで戻った。




< 24 / 360 >

この作品をシェア

pagetop