麻美ちゃんと女好き王子
「…ごめん、なさい…」
「…」
そしてそんな高瀬先輩に、あたしは携帯を握りしめながらそう呟く。
麻也くんとの、電話を繋げてごめんなさいって意味じゃない。
あたしは…。
「麻美ちゃんは、自分で気づいてないのかもしれないけど、いーっつも麻也のことばっかり気にしてるよね。
…まぁ、麻美ちゃんの俺への気持ちは、今日の麻也達のあからさまなわかりやすい作戦でわかっちゃってたけど」
高瀬先輩はそう言うと、あたしの頭から手を離して話を続ける。
「俺と麻美ちゃんを二人きりにさせて、くっつけようっていう麻也の作戦だったんだろうけど、アイツもアイツでわかってないし。
っつかそもそも、お互いに明らかに絶対必要な存在なのに、どうしてなかなか気づかないかな?」
そう言って、あたしに悪戯な笑みを向けた。
高瀬先輩…
あたしはその言葉に、泣きそうになりながら言う。
「すみません」
「…」
「さっきの告白、取り消して下さい。
あたしは、誰より一番に麻也くんがそばにいなきゃダメみたいです」
そしてあたしがそう言うと、観覧車はもう終わりに近づいてきていて…。
高瀬先輩はあたしの顔を覗き込んで、言った。
「だったら、早速アイツのとこ行ってきな?」
「え、」
「麻也は今日ずーっと、
俺らのあとをついてきてるから」