短編集
今日は大事に使わせてもらって、明日、きちんと返そう…そう思いながら何気なく裏を見た。




『………!!』






私は、フッと視線をあげて窓の外に目をやる。

ホームに流れ出た人の群れに目を凝らして、彼を探す。



…いた。



ホームに降りた彼が、窓ガラス越しに現れ、私の表情を心配そうに伺う。


だから私は、彼の名刺を小さく揺らして、とびっきりの笑顔を彼に向けた。


彼も笑顔になる。

そして、小さく頷いてから再び人の群れにのまれていった。





私は、もう一度、11ケタの番号と英数字の羅列を眺めてから、それを大切にバッグの奥に忍ばせた。




…∞…∞…end…∞…∞…
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