短編集
彼は、カード型のなにかを、私の指が差し込まれた本の隙間にスッと差し入れて、開いたドアに向かって歩いていった。


あまりにしなやかな彼の言動が、私をキョトンとさせる。


彼は、ドアに集中する人並みにのまれて姿が見えなくなった。


私は、カード型のなにかに視線を移した。


『…!?』



め…めいし?

名刺だ。


有名なIT会社。
横文字の肩書。


見ず知らずの私なんかに、こんな個人情報を渡していいのだろうか…。


まぁ、咄嗟に思い付いた策だから仕方ないのかも…。
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