ヒスイ巫女3
「・・・という事があった。」
幹部に説明すると皆
「よろしいのではないのですか。少なくとも私はよいと思います。」
次々と「私も同意見です。」という言葉がとびかった。
「ありがとう、みんな。それともう一つお兄ちゃんにも伝えてない事があるんだ。」
幹部と陸は首をかしげた。
「私は巫女の国を国民主権の国にしようと思う。」
「それは巫女様の存在を無くすと言うことでしょうか?」
「いえ、違います。私達巫女は巫女の国と他国を繋ぐ架け橋です。もちろん他国が巫女ではなく国民にしろと命令するのなら潔くこの場所を退きましょう。ですが今は安定していない。そんな中変わるのは危険です。」
幹部達は話し合いを、始めた。
「ヒスイ、お前それ本気なんだな?」
「本気だよ。昔からおかしいと思ってたから。確かに巫女様がいたら自分で決めなくていいし楽だ。でもそれだったら自分で決める力がつかない。それじゃあ巫女様が急に亡くなったら国民は路頭に迷う
。それだけはしたくない。」
このヒスイの心を幹部達は聞いていたらしく考えがまとまった。
「ヒスイ様、私達は国民主権に賛成します。」
全員一致の結果だった。
「じゃあ平和主義もね?」
「もちろんいいですよ。」
この日は巫女の国再出発の日となった。
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