アイザワさんとアイザワさん

4年ぶりに見た馨さんは、以前のように穏やかな雰囲気はそのままだったけど、少しだけ男っぽく、頼りがいのある感じになっていた。


そして、左手の薬指に光る指輪も……しっかりと目にしてしまった。


たぶん鞠枝さんから私が来ることは聞いていたんだろう。この場に私がいても驚いている様子は感じられなかった。


驚いて、動揺していたのは私のほうだった。
……どうして平気だ、なんて思っていたんだろう。全然、平気でなんていられない。


この場に立っているだけでやっとだった。
何か話かけられたら……私は、足元から崩れてしまう。

血の気がどんどん引いていくのが分かった。

呼吸が苦しくなる。


目の前に立った馨さんをまともに見ることができずに目をふせようとした時、


後ろから倒れそうになる身体を支えるように、相澤がぐっ、と肩を抱き寄せてきた。


「急に会って動揺すんのも分かるけどさ、俺のこともちゃんと紹介してくれよ。」


びっくりする私をよそに、相澤は思いがけない一言を言った。

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