アイザワさんとアイザワさん

二人っきりになるのは、あの日以来だ。
妙な緊張感が身体を包む。


相澤のほうも同じ気持ちのようで、気まずそうにしながらも、淡々と申し送りと確認作業を進めようと『しようと』しているのが分かってしまった。


私達はどうしてこんな風になってしまったんだろう。私が何か間違った態度を取ってしまったの?どうして目も合わせてくれないの?


考えても考えても目の前のこの人の気持ちが分からない。


今までだって相澤の気持ちは分からなかったけど、それとは全く違う。


だって、前は意地悪だし、冷たいヤツだと思ってたけど、こうして避けられることはなかった。冗談を言ってからかってきたし、笑いかけてくれた。触れてくれたし、キスもしてくれた。


戸惑いばかりだと思っていた自分の感情の中に実は嬉しい気持ちも隠されていたことに、私は今まで気づくことができなかった。


こうなって初めて、目も合わせてもらえないことを寂しいと思うなんて……。


私は、ほんとうにバカだ。



「で、クリスマスの時のシフトだけど……相沢?……お前、泣いてんのか?」


相澤が驚いたような顔で私を見る。
私の目からは大粒の涙が溢れてきていた。


……もう、何もかも限界だった。


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