アイザワさんとアイザワさん
11月20日。
今日は昨日とは違って、朝からどんよりとして暗い空模様だった。
「昨日は温かいと思ってたのに……もう10時も過ぎてるのに、今日はだいぶ寒いわねぇ。」と外の喫煙スペースの吸い殻を片付けて店内に戻って来た茜さんが、もうすぐ冬が来るね…と震えながら言った。
この時期の天気は変わりやすい。
羽浦市は雪はあまり降らないけれど、冷たい風が吹いていつも身体の芯から冷えていく。そんな寒い冬がやって来る。
今日の寒さは、そんな冬の訪れを感じさせるものだった。
「相沢、ちょっといいか?」
そう相澤から声をかけられた。いつも私がいると逃げるように帰っていたから、夜勤明けで残って仕事をしている姿を見るのは久しぶりだった。
「クリスマスと年末年始関係の発注と確認するぞ。ついでにシフトも組みたいから、スタッフルームに来てくれ。」
この仕事だけは、誰にも代わってもらえない。店長と副店長、二人の仕事だ。
心配そうに私を見る茜さんに「混んだら呼んでくださいね。」と声をかけて、私はスタッフルームへと向かった。