アイザワさんとアイザワさん
12月中旬。
羽浦市に本格的な冬が訪れ、雪がちらつく日も増えてきていた。
雪が少ないとは言え、北国だ。降るときはまとまった量が降る。
店の前はアーケードなので雪が積もることはないけど、店舗の裏にある駐車場は雪掻きをしなければいけない。
シフトに入っている人は店から離れた所で雪掻きをするのが大変なので、今までは生方のお父さんが来てくれて、雪掻きをしていた。
これからは、私がやんなくちゃいけないんだなーと覚悟して、今日の雪に駆けつけてみたら、相澤家はなんと除雪機を導入していた。
……金持ちめ。
慌てて休日出勤してきたのに……私の貴重な休みを返せ!!
そう思ったけどそのまま帰るのも何なので、スタッフルームに残って月末に本社に提出しなければいけない書類を書くことにした。
たまりにたまった仕事の量に気づくと、ここ何日か自分がいかにまともな状態でなかったのかにも気がついた。
「……進んでるか?」
ふいに言葉をかけられて驚く。
書類とにらめっこしていた私は、すぐ後ろに立っている相澤に気がつかなかった。
びっくりしながら後ろを振り返ると、相澤はコーヒーを片手に持ち、心配そうに私の様子をうかがっていた。