アイザワさんとアイザワさん

「私も茜さんのことは『同士』だと思ってますよ。」

だけど、自分の中でまだ整理し切れてないから話ができないんです。信頼していないんじゃないんです……その気持ちをどう伝えたらいいか迷っていると、


「何があったとか聞きだしたいんじゃないの。あなたたちが、単に好き嫌いで悩んでる訳じゃないのは何となく分かるから。でもね、私は初花ちゃんの味方だからね。……忘れないで。」


「茜さん……」


茜さんの優しい言葉と眼差しに涙が出そうになった。

そうか。茜さんは鞠枝さんだけじゃなくて、玲子お母さんにも似てるんだ……。


かつて、絶望していた私を玲子お母さんが救ってくれた。


もう玲子お母さんはいないけど、『心の家族』が形を変えたって私にはこうして味方になってくれる人がいる。


大丈夫。私は一人じゃない。


決心した気持ちを伝えるように、私はにっこり笑うと「今日は、お言葉に甘えてごちそうになりますね。」と言った。


こうして誰かの気持ちに甘えるのは、久しぶりのことだった。



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