アイザワさんとアイザワさん

「生方さん。仕事は教えたらある程度はできるかもしれないけど、相沢のうっかりとバカは度を越えてますよ。甘やかし過ぎ。」


私は、この男の中では『使えない』『うっかりなバカ』という存在らしい。

相澤オーナーの言っていたような、足りないものを補い会えるような存在とはほど遠い評価だった。


私は、新体制で一月も働かないうちに相澤に対するときめきは消え去り、この整った顔を見るのも嫌になってしまっていた。


私だってミスや落ち度は認めている。
でも、でもね。ひとつ、言い訳をさせてくださいよ。……忙しすぎるんですよ。


新しく入ったバイトが3人。時間帯もバラバラで、私は4月に入ってすぐに、その新人さん達の研修に追われることになった。朝出勤しても何時に帰れるか分からない。そんな毎日を繰り返して、私は心底疲れきっていた。


しかし、相澤だって同じ毎日のはずだ。
しかも、彼は夜勤の九嶋くんの週休の2日間は夜勤にも入る。そして、毎日店にも来る。
一体、いつ休んでいるんだろう……



もはや、人間じゃないねー。
ロボットだね。サイボーグだ。アンドロイドかも。

同じ血が通った人間とは思えない。


そして、この男の凄いところはまだまだあった。

『分析』力が半端ないのだ。





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