アイザワさんとアイザワさん
「また余計なこと考えてるだろ。」
樹さんにそう言われてはっとする。
「料理なんてやろうと思えばすぐできるって。要は気持ちとやる気の問題だろ?お前、結構負けず嫌いだからすぐ出来るようになると思うけどな。」
そんなもんかなー……。
「仕事だって去年の春はひどいもんだったけど、今だと一人で任せても大丈夫になってるだろ?やる気があったら出来るって。」
確かに仕事は出来なくて悔しくて、でも認めてもらえるようにって頑張ってたもんなと思う。
「ひどい料理が出来ても食べてくれます?」
「……最初は一緒に作ろうな。」
「仕事の時みたいに説教はなしですよ。」
笑いながら言うと、説教なんてしたっけ?と、とぼけながらも優しく頭を撫でてくれた。
無条件に甘えられる人がいるって、嬉しいことなんだなーと私は大切な人と一緒にいられる喜びを噛み締めた。
***
「で、瞬が裕美の手紙を持って来たって?」
ご飯を食べながら、私は今日の出来事を樹さんに報告した。
最初は普通に聞いていた樹さんだったけど、源ちゃんと再会して余計な情報まで流したことを伝えると、一気に表情を曇らせた。