アイザワさんとアイザワさん

アパートに戻ると、樹さんがベッドにもたれて眠っていた。


私の帰りを待っていたけど、待ち疲れて眠ってしまったようだった。


眠っている彼のすぐ側までそっと近づいてその端正な顔をじっと見つめる。
ほんとに整った顔立ちだなぁと羨ましくなってしまう。肌なんて、私よりもきれいかもしれない。


この人に…そっくりな子どもが生まれたら溺愛しちゃうのになぁなんて。実はプロポーズされた日からずっと考えたりしてるんだ。


樹さんは…そんな未来は想像したりしないのかな?


話そう。
あなたの望んでいる未来を私は知りたい。
私の望んでいる未来だって知って欲しいから。



その時、近づいた気配を感じたのか樹さんがゆっくりと目を開けた。


「…ん、初花…?」

まだちょっと寝ぼけているみたいだ。
普段のキリッとした様子からは考えられないくらい、ぼんやりとして甘えたような視線を向けられる。


「遅くなってごめんなさい。」


自分一人で不機嫌になって、今だって樹さんが家で待っていることは分かってたのにわざと遅くに帰って来たのだ。


そのことだけは…ごめんね、と思って素直に謝りの言葉を口にした。
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