アイザワさんとアイザワさん

***
「鞠枝さん、お疲れ様でした!乾杯っ!!」
私の発声で、鞠枝さんの送別会が始まった。

遠慮なく騒げる、ということでコンビニに程近い、相澤オーナーが経営する居酒屋で送別会は開かれていた。

今日のメンバーは、鞠枝さん、私、茜さん、唯ちゃん、店長、の5人だ。後は仕事の合間を縫ってオーナーが顔を出してくれることになっていた。


私は、久しぶりの飲み会にウキウキしていた。
実は私はお酒好きで、しかもかなり飲める。
酒に飲まれたことがないのが自慢だった。
わたしの酒好きはおばあちゃんの遺伝だ。おばあちゃんは毎晩晩酌するほどのワイン好きで、毎年11月のボジョレー・ヌーボーの解禁をそれはそれは楽しみにしていた。

……今日はワインも飲んじゃおうかな。なんて考えていると、

「初花ちゃーん?今日はとことん飲もう、って思ってるでしょ?」と鞠枝さんの恨めしそうな声が聞こえた。図星過ぎて思わず笑ってしまう。

「禁酒生活もしあわせの印よ。もう『母親』なんだから、我慢しなさいな。」と茜さんがたしなめる。

「そうですよー。私も今日は飲みません!お付き合いします!!」と元気に言ったのは唯ちゃんだ。

「お前、未成年だろうが。」そんな唯ちゃんに相澤が突っ込んだ。


そんな相澤のグラスもソフトドリンクだ。
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