アイザワさんとアイザワさん

「あれ?相澤さん、飲まないの?」
主役がそれとなく聞いてくれた。

「俺、酒弱いんですよ。明日も仕事なんで。雰囲気は楽しめますから、十分ですよ。」相澤はそう言ってふわりと笑った。


その途端、場が一気に10倍くらい華やいだような気がした。イケメンの笑顔は飲み会も盛り上げてくれるらしい。万能だな。

相澤は、最近こんな笑顔をスタッフにはよく見せてくれるようになった。

……ちょっとは打ち解けられたのかしら?となんとなく嬉しく思う。


「そういえば、今日仙道さん来られなくて残念だったわねぇ。」と茜さんが鞠枝さんに話した。エリアマネージャーでみんなとも顔見知りだし……ということで誘っていたのだが、急な出張が入ってしまい、来られなくなってしまったのだ。

「本社から急にですよー。七夕の夜に羽積山の展望台まで星を見に行こう、って前から約束してたのにー。」鞠枝さんが残念そうに言う。


「七夕の日に離ればなれになる、って織姫と彦星みたいじゃないですか?」と唯ちゃんが言うと、

「七夕に離れてどうすんのよ。あれは恋人が七夕の日に結ばれるお話でしょ……」とため息をつきながら鞠枝さんが言った。


「織姫と彦星は夫婦ですよ。」
意外な人物が会話に割って入った。
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