理屈抜きの恋
真美ちゃんが私に気付いてくれて、新郎を突ついてカメラに目線を合わせてくれた。
新しく買った一眼レフタイプのデジカメをここぞとばかりに二人に向け、プロのカメラマンばりにシャッターを切る。

レンズ越しにも伝わる幸せそうな表情は、一緒に過ごしてきた時間の中で一番綺麗。

身に纏う白いウエディングドレスが幸せに輪を掛けるように輝いていて、まるでそこだけ別世界のよう。

親族だけで行われた挙式の時に着た白無垢姿の写真が入り口に飾られていたけど、撮った写真を見直してみれば、洋風の顔立ちの真美ちゃんにはウエディングドレスの方が似合っている。

今のところ、私には全く縁のない事だけど、やっぱりウエディングドレスは憧れる。


「皆さん。本日は私たちのためにお忙しい中、お集まり頂き、誠にありがとうございます。堅苦しい事はなしです。飲み物、食べ物、たくさん用意してありますので、存分に召し上がって、楽しんで行って下さい。」

新郎の挨拶は短め。

次の社長の挨拶も短く済んだ。
そして部長が乾杯の挨拶をした所で、ホテルのスタッフが忙しく動き出し、壁際に用意された机の上に熱々の料理がいくつも並んだ。

「いい匂い。」

有名ホテルのビュッフェは見た目も香りも一級品。
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