理屈抜きの恋
嵐のような時間だった。
頭はパニック状態で収集が付かず、車に乗り込み、会場に到着するまでの間、副社長に質問しっぱなしだった。

「えっと、つまり、まとめますと、パーティーが女性同伴でないといけない、と知った日、副社長は事前に服飾系デザイナーのお母様に私用のドレスを依頼した。という事ですか?」

「そうだ。いちいちまとめる必要もないことだけど。」

長い脚を組み、外を眺めている副社長は私の質問などどうでもいいように振る舞う。
でも、疑問は膨れ上がるばかりで、返事をしてくれることを良い事に次から次へと疑問符を投げかける。

「どうして私なのですか?こういうドレスも副社長に似合う女性もいくらでもいらっしゃるでしょう?むしろ同伴は秘書ではない方が良いのではないですか?」

「連れて行くような女などいない。」

「いやいや、ご謙遜を。」

女には困っていない、と本人から直接聞いた覚えがあるし、副社長の人気は社内外問わず、よく耳にする。
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