理屈抜きの恋
「このドレス、どうして私のサイズ分かったんですか?」

本宮母は副社長が私のことを見ているから、と言っていたけど、見ただけでサイズを当てられるなんてその道に精通している人でないと不可能だと思う。

「お母様と同じ服飾系に進みたかった、とかですか?」

「父親もデザイナーだからな。そういうセンスがあるんだろ。女の身体のサイズ位、一度でも抱きしめたことがあればおおよその見当はつけられるし。」

その言い方が妙に生々しくて、まるで裸を見られたような気がした。

「赤くなるな、って前にも言っただろ?言った方が恥ずかしくなる!」

「ならそういう含みのある言い方しないで下さい!恥ずかしいです!」

「全く、うるさいやつだな。キスでもすれば少しは黙るか?」

ぐっと近づいてきた副社長の身体を急いで手で制す。

「何だ、この手は?」

「本宮副社長が言ったんですよ?キスは好きな人とするものだって。」

その答えに副社長はなんとも言えない微妙な表情を浮かべた。
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