体から堕ちる恋――それは、愛か否か、
美弥の思考が定まらないうちに、「行こう」と優が美弥の手をつないで走りだした。

「ちょっと………」

優は美弥の手を引いて走る。

止まらない。

買ったばかりの夏のサンダルで、優に引かれた美弥は、熱したアスファルトを蹴っていく。

夏の太陽と、人いきれと、つないだ手。

暑い、熱い、暑い、熱い。

「ちょっと待って! ストップ!」

ようやく優が止まり、美弥の手を放す。

「だめなの?」と、優はがっかりした気持ちを正直に表情に浮かべた。

子供みたいだ。

「うち、そっちじゃないもの。なんで場所も知らないのに駆けだすの?」

「そっか」

ほっとしたように、照れくさそうに優が笑い、「じゃあ連れて行ってよ」と右手を差し出した。

やっぱり子供みたいだ、と美弥は思う。
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