体から堕ちる恋――それは、愛か否か、
美弥が住む5階建ての、全部で14世帯しかないこぶりのマンションは、駅から徒歩15分程の繁華街からそれた住宅街にあり、建物は古いが静かなのが気に入っている。

4階の美弥の部屋の窓からはつつましやかな児童公園が見え、啓太はうるさいとよく文句を言っていたが、その公園の木々を憩いの場としている鳥たちが早朝からギイギイなく声も美弥は好きだ。


ずっとかけてきた2人は、マンションのエレベーターの中で手をつないだままドアを見つめてハアハアと大きく呼吸して息を整えた。

エレベーターから降りて403号室のドアを開ける。

部屋にこもった2日分の空気を解放するために、美弥はキッチンの窓とベランダのサッシをまず開けた。

部屋の中を風がヒューと流れ、むんとした空気を連れ去ってくれる。

「のど渇いたね」

何か冷たいものを取り出そうと、冷蔵庫を開けかけた美弥の体を優は後ろから抱いて引き離す。
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