囚われロマンス~ツンデレ同期は一途な愛を隠せない~
「あの時は俺だって軽い気持ちじゃなかった」
「だから、そういうのいらないって……」
「俺がふざけてて軽い気持ちだと思ったから、先週嫌だって言ったのか?
俺が本気だって言ったら、俺に許してくれんの? 深月の全部」
あまりに必死な顔して言うせいで、言葉が出なくなる。
でも……及川が私に本気で、なんて事、あるわけがないし、こんなの口先だけに決まってる。
だって、全部知ってるもの。
今まで他の女の子に甘いこと囁いておとして楽しんでたの……知ってる。
ずっと、〝同期〟として、隣で見てきたんだから。
そう思って、だからその通り言おうとしたのに。
「今でも、俺のこと好き?」
すがるように聞く及川に、用意していた言葉が消えてしまう。
目の前で、眉を下げて不安そうに聞く及川を見ていたら、自然と涙が浮かんでいて。
零れ落ちたそれを指先で拭う及川に、きゅっと唇をかんでから視線を合わせた。
「……好きだよ。だからちゃんと振って。そしたら頑張ってただの同期に戻るから。
〝好きなくせになかなか好きって言わない同期を落とすゲーム〟してたなら、もうとっくに私の負けだから」
及川が、女の子相手にしてきたゲームは知ってる。
だからきっと、及川にしたらこれも一種の攻略ゲームだったんだろう、そう思って言った言葉だったけれど……。
及川は傷ついたような顔をして……それから、なんとか作ったような笑みを浮かべた。