囚われロマンス~ツンデレ同期は一途な愛を隠せない~


「で、勘の鈍ってる俺に教えて欲しいんだけど。妬かない理由」
「え……ああ、まだ続いてたんだ」
「続いてるよ。答えてもらえてないし。実は俺の事そこまで好きじゃないとか、そういう感じだったらショックなんだけど」

らしくない不安をもらす及川に思わず笑ってから、「なんでって言われてもなぁ」と答えを探す。

花岡さんが、彼氏がいるのに及川も狙うような人だからっていうのも、あるっていえばあるのかもしれない。
でも、だったら余計にイライラしてもよさそうだし。

適当な気持ちで好きなんて言わないで、みたいに。

それに、花岡さんに限らず、及川に寄ってくる女の子を目の当たりにした事だって数回あるけど……。
その人たちにも、やきもちみたいな感情はあまり抱かなかった気がする。

目の前でいちゃいちゃされたら少しはムッとするかもしれない。
でも、それにしたって……と考えていて、ああそうかと答えを見つけた。

「多分、及川が誰にも振り向かないって知ってるからかも。誰のモノにもならないって分かってるから、そこまで妬かないのかもね」

多分そうかなとは思うけど、そこまでの確証はない。
けれど当の及川は納得がいったようで、「あーなるほどね」と苦笑いを浮かべて座り直し……私を見た。

「今は深月のモノになったけどな……って、なんだよ、その顔」

及川が指摘したのは、私がまるで信じてませんとでも言いたそうに、呆れた笑みを浮かべていたからだと思う。

だってそうだ。
今までの及川を散々知ってるのに、そんな言葉が信じられるハズがない。




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