囚われロマンス~ツンデレ同期は一途な愛を隠せない~


性格はあまり合わないし、仕事の面でもいちいち預金課を下に見た発言をするから、頭にきたりもする。

最近は及川や大崎くんの関係で、そんなことばかりだった。
だからか、そういう部分ばかりが先に浮かんじゃうけれど、ちゃんと仕事ができるって部分は認めなくちゃなぁと思う。

そんな花岡さんの異動話が出たのは、七月四週目の火曜日だった。

四半期に一度異動がある事は知っていたし、そろそろそんな時期かーとも思ってはいたものの。
まさか花岡さんが……とは思っていなかっただけに、驚きが隠せなかった。

うちの支店での異動通知は、支店長から行われる。
閉店後、支店長が応接室に呼び、そこで。

普段、一職員を応接室に呼ぶ事なんてほぼないから、支店長に呼ばれた時点で、ほぼ異動が確定だ。
そこに花岡さんが呼ばれたのを見て、あ、異動だ……とフロアにいる職員がざわついた。

「花岡さん、異動みたいね」

出納の締めの作業を終えた手塚先輩が、私の前の席に戻りながら言う。

「何年目でしたっけ」
「私が異動で来た時にはもういたから四年以上にはなるし……そう考えると妥当かもね」
「そっか……」
「東貝沢支店に、新しくローンセンター作ったでしょ。そこに女性の融資担当を増やそうって話が前からあったのよ。花岡さん、融資担当してから長いし白羽の矢が立ったのかもね」
「白羽の矢……いい意味でですか?」

確か昔は、犠牲だとか、悪い意味合いで使われてた言葉だなぁと思いながら返すと、手塚先輩が苦笑いを浮かべる。


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