囚われロマンス~ツンデレ同期は一途な愛を隠せない~


「新しくできたローンセンターだもの。もちろん、いい意味よね。普通は」
「……〝普通は〟?」
「専門部署なだけあって、みんな同じことするんだもの。真面目に仕事すれば成績に直結するし、上に評価してもらいやすい環境でしょ。
……ただ、花岡さんの性格的にね。職員も女性ばかりだし」

「ああ……なるほど」と、手塚先輩の言わんとしていることがわかり、頷いていると、花岡さんが応接室から出てくる。

その表情は憤っているようにも見えるし、ショックを受けているようにも見えるし……なんとも形容しがたいけれど、不満を露わにしているのは確かだった。

これは、私のただの憶測だけど。
多分花岡さんは、仕事面だけであんな顔をしているわけじゃないと思う。

花岡さんは人見知りではないし、来店されたお客様にもうまく溶け込む事ができるから、どこでもやっていけると思う。
仕事自体だって、融資の窓口を任せられているほどなんだから、できるハズだ。

それに、自宅から支店まで距離があって通勤時間がかかるから本当に面倒くさい……と文句を言っていたのを聞いた事もある。
もし、異動先がこの支店よりも自宅に少しでも近ければ、喜ばしいんじゃないかとさえ思う。

それでもあんな顔をしているのは多分……というか、ほぼ100%、及川が原因なんじゃないかなぁと……。
花岡さんの普段の態度を見る限り、そう思わざるをえなかった。


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