囚われロマンス~ツンデレ同期は一途な愛を隠せない~
170後半はある及川よりもさらに大きい大崎くんの身長は、180を超えているらしい。
中高大とずっと野球部だったらしく、それに見合った厚みのある身体つきをしていて、同じスポーツでもつく筋肉は違うんだなと思う。
及川はしゅっとしてるけど、大崎くんはガッチリって感じだ。
短髪の髪の下にある男らしくきりっとした瞳を見る限り、まだ自分が悪いとは思っていないらしい。
本当、厄介だなと思いながら口を開いた。
「あのね、何度も言うようだけどお客様の言う事はまず否定しないで全部を聞いて。
大崎くんの場合、その場を自分で処理しようとしないで、話だけ聞いてきてくれたら後は他の人がなんとかするから」
私の注意に、大崎くんはすぐに「でも」と反論する。
「あのお客様は言ってる事が最初からおかしかったですし! あんな事言われたら俺黙ってなんていられません!
だって、俺が金とったみたいに言われたんですよ?! もともとあっちが持ってきた金が足りてなかったのに!」
「でも、あのお客様は割と毎回そうじゃない。私も相手した事あるけど、我慢して耐えるしかないんだよ。
あの人、月に二、三回来店するし、その度に言い返してるわけにもいかないし、言い返したりしてるところを他のお客様に見せるのはお店としてよくないでしょ?」
給湯室の前で話していると、その隣にある出入り口が空き、外回りから帰ってきた営業がチラリとこちらを気にしながら店舗エリアに入っていく。
午後四時を過ぎると、ぽつりぽつりと戻ってくる営業担当。
「お疲れ様です」と声を掛けながらも、大崎くんと話を続けた。