囚われロマンス~ツンデレ同期は一途な愛を隠せない~
「たくさん食べろよー。そして飲めよー」という支店長の声を合図にみんなが箸を伸ばす。
決起集会は支店長や次長、代理の奢りだからと、男性職員がかなりのがっつきを見せていて苦笑いを浮かべてしまうのも毎度のことだ。
どんどん運ばれてくるお肉を焼きながらどんどん消費して、その合間にご飯も食べたり、ちょっとお酒も飲んだりして。
「深月さん、どうぞ!」って、大崎くんがどんどんお肉をタワーにしていくから、苦笑いしながらそれも食べて……あと、大崎くんが飲みすぎないように注意しながら眺めたりして。
いい具合にお腹が満たされた頃、手塚先輩が「深月~」とお酒の入ったコップ片手に大崎くんがいる側とは逆側の隣に割り込んできて、うわぁ……と思った。
手塚先輩とはテーブル挟むようにしてわざと席離れた場所に座ったし、すっかり忘れてるかと思ったのに……さすがだ。
手塚先輩はお酒に強いから酔わないし、忘れてくれたらいいななんて期待していたのがそもそもの間違いだったのかもしれない。
「で。昼間の元彼との馴れ初めは?」
急に始まる事情聴取に、多分逃げ道はないんだろうな……と諦めて箸を置く。
「大学一年の時に、道端で……私が痴漢と間違えたのがきっかけです」
苦笑いを浮かべながら言うと「なにその面白そうな話!」と先輩がテンションを上げて食いついてくるから、ゆっくりと説明する。
「駅から家までの道がほとんど同じだったんです。うちを通り越したところにあっちの家があったみたいなんですけど、それ知らなかったから、なんかずっとつけられてると思って。
一回だけじゃなくて、何回もだったから……それで」