囚われロマンス~ツンデレ同期は一途な愛を隠せない~
営業の人だとか店長や次長はお酒をたくさん飲むし、お肉だってよく食べるからお店からしてもいいお客さんなんだろう。
去年、冬のボーナス商戦前に開かれた決起集会が終わった時『毎日来てくれてもいいのに』と高岡さんがにこにこしながら言っていたのを思い出す。
大広間の座敷は、二十四人が座ってもまだ余裕がある。
網と鉄板、合わせて六つを用意してくれてあるテーブルを囲むようにして座っていく。
営業も預金も融資もごちゃ混ぜ状態だけど、正直アルコールが入った営業の人とかに絡まれるのは嫌だから、こっそり離れて座る。
花岡さんなんかは、営業の人たちのいる中に入り込んでニコニコしているけど、ああいうノリに付き合えるのは、嫌味じゃなく素直にすごいと思う。
私ももう社会人三年目だし、多少はそういうのにも慣れたものの……テンション高く騒いだりとか、やっぱり苦手は苦手だし、遠巻きに眺めるくらいが調度いい。
上座に支店長や次長、代理が座って、次に融資の人たち、営業の人たち、預金、とごちゃまぜと言ってもなんとなくそんな感じに分かれてしまうのは毎度の事だ。
花岡さんだけ完全に営業のど真ん中だけど……まぁ、本人がいいならいいと思う。
花岡さんの横に及川、その横に大崎くん、そして私、という並びだ。
支店長の挨拶が終わり、ジュージューとお肉を焼く音と大量の煙が部屋中に広がる。
毎回の事ながら髪や服にすごい匂いがつきそうだなぁと思いながら、網の上で赤から茶色に色を変えていくお肉を眺めた。