囚われロマンス~ツンデレ同期は一途な愛を隠せない~


『及川も気にしなくていいから』

最初から伝えたかったのはそれだけだったのに、なんて回りくどい会話をしているんだろうとも思うけど。

最初から、それを伝えたらきっと、及川は私が気を使ってるとしか思わないだろうから、回り道する必要があった。

〝ああ、深月も気にしてないんだな〟って思ってもらうためには。

気にしてなんてほしくない。
及川が変に気にして関係が変わってしまわないためなら、演技するのなんて容易い。

決して恋人にはなれないのに、同期としての関係をこうまでして必死に守る必要があるのかっていうのは疑問だけど……。
及川が離れて行ってしまうのはどうしても嫌だった。……好きだから。

及川に気を使われるのなんて、もっと嫌だ。
勝手に好きになって同期っていう関係からはみ出したのは、私なんだから、このことに関しては及川は悪くない。


女は好きな人のためなら平気で嘘がつけるってたまに耳にするけれど。
それって本当だったんだなと思いながら部屋のドアを開けた。




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