その唇に魔法をかけて、
(大丈夫! とはいったものの……本当に大丈夫かな……?)
(あ~あれこれ考えててもだめ! やるしかないよね)
悶々と考えながら玄関前を通りすぎようとした時、ひと組の老夫婦がたった今到着した様子できょろきょろとあたりを見回しているのが目に入った。
「いらっしゃいませ」
美貴に気が付いた男性が何か言いたげにして、ジェスチャーのような動作を繰り返している。
「お荷物をお持ちしましょうか?」
しかし、美貴の笑顔とは裏腹にその男性は少し困ったような表情を浮かべた。そこでようやく違和感を覚える。その老夫婦の距離は数メートルも離れていないというのに、がまったく声が聞こえていない様子で、再び同じように手を動かし始めたのだ。
「いらっしゃいませ。あ、美貴ちゃん、総支配人を呼んできて」
「はい! わかりました」
老夫婦の名前を受付で確認をすると、足早に総支配人室へ急いだ。
(あ~あれこれ考えててもだめ! やるしかないよね)
悶々と考えながら玄関前を通りすぎようとした時、ひと組の老夫婦がたった今到着した様子できょろきょろとあたりを見回しているのが目に入った。
「いらっしゃいませ」
美貴に気が付いた男性が何か言いたげにして、ジェスチャーのような動作を繰り返している。
「お荷物をお持ちしましょうか?」
しかし、美貴の笑顔とは裏腹にその男性は少し困ったような表情を浮かべた。そこでようやく違和感を覚える。その老夫婦の距離は数メートルも離れていないというのに、がまったく声が聞こえていない様子で、再び同じように手を動かし始めたのだ。
「いらっしゃいませ。あ、美貴ちゃん、総支配人を呼んできて」
「はい! わかりました」
老夫婦の名前を受付で確認をすると、足早に総支配人室へ急いだ。